HSP看護師として急性期病院や施設で働いていた頃、
「もう辞めたい」と思う瞬間が何度もありました。
それでも「急性期で経験を積まないといけない」
「福利厚生が良いから勿体ない」と、自分に言い聞かせて働き続けました。
心と体がボロボロになってはじめて転職を決意し、
精神科に移ってから景色が変わりました。同じ悩みを持つHSP看護師に、その実体験をお伝えします。
HSP看護師が辞めたいと思った8つの場面
当時感じていた「辞めたい」の瞬間を、できるだけ正直に振り返ります。

①急変・入院続きで仕事もプライベートも緊張感が抜けない
急性期病棟では急変・緊急入院が日常茶飯事です。勤務中はもちろん、休日でも「今ごろ病棟はどうだろう」「昨日の患者さんは大丈夫かな」と頭が切り替わらない日が続きました。
HSP特性の「深く処理する」機能が、仕事への不安を際限なく拡大させていました。家にいても心が職場にあるような感覚で、休んでいるのに疲れが取れない状態が続きました。
②業務に追われて患者とゆっくり関われない
「この患者さんの話をもっと聞きたい」「もう少し丁寧に関わりたい」と思っても、次の処置・記録・ナースコールに追われて、じっくり向き合う時間が取れませんでした。
HSP看護師の強みである共感力・傾聴力が、業務のスピードに押しつぶされていく感覚がとてもつらかったです。「何のために看護師をやっているんだろう」と感じることが増えていきました。
③準夜勤の憂鬱・夜に仕事に行くときの気持ちの重さ
準夜勤の日の朝は、目覚めた瞬間から「今夜か……」という気持ちが始まりました。昼間の時間が「仕事へのカウントダウン」になってしまい、まともに休めない。
夕方が近づくにつれて気持ちが重くなり、出勤する頃にはすでに疲弊している——この繰り返しが、じわじわと心を削っていきました。
④記録・研修で時間通りに帰れない
日勤が終わっても記録が終わらず、残業が当たり前になっていました。追加の研修・勉強会が休日に設定されることもあり、プライベートな時間が仕事に侵食されていく感覚がありました。
「今日こそ定時に帰れる」と思って出勤しても、帰れないことの繰り返し。小さな希望が積み重なって裏切られるたびに、気力が少しずつなくなっていきました。
⑤高齢者施設で「考える力が落ちた」と感じた
急性期のしんどさから逃げるように転職した高齢者施設では、別の種類の消耗がありました。毎日決まったルーティンが続き、「看護師としての判断・思考が必要な場面」が極端に減っていきました。
HSS型HSPの特性として「刺激が少なすぎる環境は苦痛」というものがあります。「成長できていない」「考える力が落ちている」という焦りが、また別の「辞めたい」につながりました。
⑥毎日の入浴介助で看護師・介護士の境界が曖昧になった
施設では入浴介助が日課でした。介護士と同じ業務が続く中で「看護師としての専門性を発揮できているのか」という疑問が浮かぶようになりました。
資格を持って働いているのに、自分の強みが活かせていない感覚。HSP看護師としての共感力・観察力が使われない場所にいることへの違和感が、じわじわと積み重なりました。
⑦夜勤一人で相談できる環境がない孤独感
施設の夜勤は看護師一人のことが多く、何か困ったことがあっても即座に相談できる人がいませんでした。HSP特性の「不安を深く処理してしまう」機能が、夜勤中の小さなトラブルを大きな恐怖に変えていきました。
孤独な夜勤の帰り道、「もう無理かもしれない」と思いながら車を運転したことを今でも覚えています。
⑧プライベートでも仕事の緊張感が続き休まらない
どの職場でも共通していたのが「仕事が終わっても仕事のことを考えてしまう」こと。家族と食事をしていても、子どもと遊んでいても、頭の片隅に仕事があり続けていました。
HSP特性上、「考えるのをやめよう」と思うほど逆に意識が向いてしまう。24時間365日、緊張の糸が切れない状態が続いていました。
それでも辞められなかった2つの理由
「辞めたい」と思いながらも、なかなか行動できなかったのには理由がありました。
①新卒は急性期で経験を積むべきという固定観念
「看護師は最初の3年が大事」「急性期で基礎を作らないといけない」——周囲からも先輩からも言われていたこの言葉が、転職の足かせになっていました。
今振り返れば、それが絶対的な正解ではないとわかります。自分の特性に合わない環境で無理し続けることが、本当にキャリアのためになるのかは疑問です。
②福利厚生の良さで「勿体ない」と感じていた
大きな病院や施設は福利厚生が充実しています。住宅手当・退職金制度・有給取得率——手放すのが惜しいと感じていました。
でも当時の私は「健康資産」のコストを完全に見落としていました。福利厚生の良さと引き換えに、心と体を削り続けていたのです。
転職を決断した本当のきっかけ
寝ている時にうなされていると家族に言われた
ある夜、家族から「最近うなされてるよ、大丈夫?」と言われました。自分では気づいていなかった。でもその言葉で「やばい、限界を超えている」と客観的に気づくことができました。
家族への優しさが足りなくなっていると感じた
仕事での消耗が大きくなるにつれ、帰宅後の余力がどんどん減っていきました。子どもに笑顔で向き合えない、パートナーへの感謝を言葉にできない——そんな自分に気づいたとき、「このままではいけない」と本気で思いました。
健康資産を削ってまで働く意味を問い直した
「何のために働いているのか」——その問いに向き合ったとき、答えが出ました。給与・福利厚生・キャリアのために、心と体を犠牲にすることに意味はない。健康でなければ、家族のためにも患者さんのためにも何もできないと気づきました。
精神科に転職して変わったこと

HSP看護師の強みが活かせる職場環境になった
精神科では、傾聴・共感・細かい変化への気づきがそのまま看護の力になります。急性期で「邪魔になっていた」と感じていた敏感さが、精神科では「ありがとう」と言われる強みに変わりました。
常時緊張感がなくなり心に余裕が生まれた
急変が少なく、業務のペースが穏やかです。「今日は何が起きるか」という不安が激減し、帰宅後も頭が仕事から離れやすくなりました。慢性的な緊張状態から解放されたことで、睡眠の質も上がりました。
家族に感謝と優しさを持てるようになった
仕事での消耗が減ったぶん、家庭での余力が戻ってきました。子どもと笑顔で向き合える。「おかえり」が言える。当たり前のことが当たり前にできるようになった喜びを、転職後に初めて感じました。
健康資産が最優先だと本気で感じた
福利厚生や給与も大切です。でも、それよりも「心身が健康であること」がすべての土台だと、身をもって理解しました。健康な状態でいてこそ、仕事も育児も、自分らしく生きることもできるのです。
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まとめ:自分の心と体を守ることが患者への最大の責任
辞めたいと思った瞬間を振り返ります。
- 急変・入院続きでプライベートも緊張感が抜けなかった
- 業務に追われて患者さんとゆっくり関われなかった
- 準夜勤の日は朝から気持ちが重く、出勤前から消耗していた
- 残業・研修で時間通りに帰れない日が続いた
- 施設で考える力・看護師としての専門性が活かせなかった
- 夜勤一人の孤独感と、相談できない不安が重なった
- プライベートでも仕事の緊張が続き、本当の休息が取れなかった
辞めたいと思いながら「勿体ない」「まだ早い」と我慢し続けた時間は、心と体の健康資産を確実に削っていました。
「患者さんのために頑張る」ことは大切です。でも、自分の心と体を守ることが、患者さんへの最大の責任でもあると、転職して初めて腑に落ちました。
HSP看護師として消耗している方が、この記事を読んで「一歩動いてみようかな」と思えるきっかけになれば嬉しいです😊

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